皮を使い始めたのは、かなり古く原始時代にさかのぼります。 石器や火を使い始め、狩りで得た肉を食した後の皮を 強さの象徴、身体の保護、として身に着けるようになりました。 始めは、そのままの生皮を使用していたのでしょうが、 日干し、揉んだりしたり、煙で燻したりして工夫腐食を防ぐ事を覚えたのでしょう。 やがて動物の脂を塗ったり、さらに古代四大文明の頃に 植物の汁を使用し『タンニンなめし』の基本的な発明がありました。 保存はもちろんの事、実用性のみならず着色により美的要素も 取り入れられました。もちろん当時は植物中のタンニンのみの 抽出する技術や知恵はなく、植物や樹木の皮と動物の皮と 水と浸して長い時間浸してのなめし作業をしていました。 その後ヨーロッパ特にイタリアのトスカーナ地方は豊富な水を 必要とするのにアルノ川があり、タンニンを多く含む栗林も 多かったので、伝統的なタンニンなめしを行うの良い条件が そろっていました。その後も発展を遂げ現在も引き継がれて イタリアは世界有数の革産地の一つとなりました。
日本の最古の記録が残っているのは大和時代で鹿皮を使用しました。 なめしはされておらず、脂のみを取り除いた皮だったそうです。

動物皮の成分タンパク質コラーゲンを専門技術処理を施し革として利用するために繊維や組織を腐食から守り 柔軟性、耐水性、耐熱性、多孔性など優れた素材にする工程。 鞣す(なめす)という漢字は「革を柔らかく」と書きます。なめしには、3種類の方法が主流です。
■タンニンなめし
植物に含まれるタンニン(渋)をタンパク質コラーゲンと結合させて古くから行われているなめし方法で現在はワットル(南アフリカ)、ケブラチョ(南米)、チェスナット(欧州)などの植物タンニンエキスが使用され、単独または混合され、なめしが行われています。タンニンエキスは皮への浸透が遅いので時間と手間がかかります。伸縮性が少なく、丈夫で、味のある革になるので、スローモーションはタンニンなめしの革を多く使用します。
■クロムなめし
塩基性硫酸クロム塩をタンパク質コラーゲンと結合させてなめす方法。 19世紀半ば〜後半頃ドイツが軍用に開発された技術で安値で大量に生産できると言うので世界的に広がりました。タンニンなめしに比べなめし時間は短くなめし剤の量も少なく軽く、柔軟性、耐熱性がある革になる。時間、経済的コストによる需要は多い。
■複合なめし(コンビなめし)
タンニンなめし、クロムなめしなど2つ以上のなめし剤を使用してなめす方法。それぞれの特徴を活かし、欠点を補う特徴もあります。
■白なめし
日本が誇る1000年の歴史をもつ兵庫県姫路市の伝統技術。
川の水に皮を浸し天然の塩と采種油で揉んでなめす方法。仕上がりは美しい白色で柔らかくコシもあり耐久性にも優れ昔の野球ボールに使われ白球の語源にもなったそうです。手間がかかり当然高価なモノになり、安価のクロムなめしに押され第二次世界大戦前に衰退したが、最近、自然の原料を使い環境問題、世界にも無い手法として改めて注目を集めています。。

牛革 種牛、牡牝成牛、中牛、仔牛、水牛など皮革製品の中で最も多く使われています。原皮の80%以上は海外からの輸入に頼っています。性別、年齢によって品質に差があります。※原皮の種類参照
馬革 馬、仔馬、驢馬、シマ馬、騾馬など判が大きく柔らかいのが特徴。尻の部分は“コードバン”と呼ばれ繊維組織が緻密で美しく丈夫な革です。
山羊革 成山羊(ゴード)、仔山羊(キッド)など
薄く柔軟性があり、しかも丈夫な革。
羊革 成羊(シープ)仔羊(ラム)など
軽くて柔らかい革。インド産羊革は上質で重宝されている。
豚革 豚、仔豚、いのしし、水豚、野豚など
牛革に次ぎ利用範囲が広く、ほとんど国内で生産されている。
鹿革 鹿、かもしか、大鹿、トナカイ(北米)など
鹿の皮を動植物油でなめした“セーム革”は柔らかくしなやか。
繊維が細かく皮革製品の他にガラスふき、航空機用ガソリンこしにも使われる。
カンガルー革 カンガルー、仔カンガルーなど
丈夫でしなやか、のびて変形しないので、スパイクシューズにも使われる。
オーストリッチ 駝鳥。
羽を抜いたあと皮の表面が丸く突起しているのが特徴。
数が少なく珍重されている.
爬虫類 ワニ(クロコダイル、カイマン)ヘビ(パイソン)トカゲ、亀など
ワシントン条約に基づいて100%近輸入されいる、貴重品
水棲類 あざらし、えい、鮫、鯨、とど、かえるなど

ハラコ 産まれる前。毛並みがとても美しく大変貴重な超高級革。
カーフ 生後約6ヶ月以内の仔牛。薄手の小判で銀面はキメが細かいのが特徴。
キップ 生後約6ヶ月〜2年位の中牛。カーフより面積約1.5倍で厚め、強度も増す。
カウ・ハイド 生後約2年以上の牝の成牛。乳牛のものをミルク・カウという。
ステア・ハイド 生後約2年以上の牡の成牛で生後3ヶ月から6ヶ月以内に去勢している。
ブル・ハイド 生後約3年以上の牡の成牛。厚手かつ丈夫だが粗い質感。
地生 国内産の成牛で生皮のまま取引される。牡、牝共に焼き印が少ない。

銀付 銀面(革の表面)を活かしたもので、後に仕上げ方法により、天然の革による個性のある表情が映し出されます。耐久性も優れている。
床革 成牛のような厚い革の場合、均一にスライス(漉き)して、なめしや、加工する事もあり、銀付を取り除いたものを床革という。型押しやスエード、ベロア、エナメルにも使用する。
ヌメ革 植物に含まれるタンニン(渋)でなめし、染色していないナチュラルレザー。経年、飴色に変化し味のある風合いになる。堅牢で非常に丈夫。
オイルレザー なめしの工程中に多量のオイルやグリースを吸収させる仕上げ方法。
色の濃淡ができ、経年であたり(色が濃くなる)もでて、とても味のある革。
シュリンク なめしの工程中に薬品にて革を縮めて仕上げたもので、銀面にシワが出来て独特な表現があります。
型押し 革の表面に加熱高圧プレスで型(エンボス)を押して仕上げたもので、いろいろな表現ができる。近年は良質な革にも使用して、さらに手仕上げにより革は、味がある。
揉み革 革をバイブレーション機や手揉みによりシワをつける仕上げ方法。
シュリンクより弱いシワ感で落ち着いた感じ。
洗い 水や薬品で洗い、USED感、傷め感を表現した加工。近年は製品洗いも多い。
スエード 革の裏面(肉面)をサンドペーパーやバフで起毛させる仕上げ方法でベルベットのような風合いを表現。毛足は短い。
ベロア スエード同様の仕上げだが、スエードより毛足が長く粗い表現。
ヌバック 革の銀面をスエードよりも軽く擦ってより細かい仕上げ方法。
“銀磨り”とも云う。鹿革の銀擦りをバックスキンという。
ガラス張り革 主に成牛革のなめした革を平らなガラス板やホーロー鉄板に張り付け乾燥後、銀面をサンドベーパー(バフ)ですり取ってアクリル系樹脂や顔料で仕上げたもの。堅牢で手入れが簡単
エナメル クロムなめしの革の表面に光沢の塗料で仕上げた革。

太鼓染め(丸染) 大きなドラムの染浴の中で染色する方法。表、中、裏丸ごと染まるので丸染めともいう。ドラムが大きいのでロットが必要で時間も要す。
スプレー染め スプレー噴射して染め液を表側だけ、染色する方法。
刷毛染め 染め液をブラシで擦りつけて表側だけ、染色する方法。

素上げ 表面に皮膜を作らず、そのまま、又は油やワックスのようなものをフェルトバフなどで磨きあげる仕上げ方法。動物傷などそのまま表現され天然皮革本来の風合いがある。
顔料仕上げ 表面に顔料を使用して着色する仕上げ方法。傷が隠せて、均一に着色できるので、色々な表現できる。利用度も巾広い。
アニリン仕上げ 透明感のある塗料を使用して仕上げる方法。
顔料を少し配合させたものを“セミアリニン仕上げ”という。